有限会社アロー技研 の日記
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どうかご安全に
2011.10.07
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最初にお断り申し上げます。
本日の記事は、完全に当業界関係者向けの内容でございます。
他業界の方にとりまして、不可解な用語が連発されます。
つまんねぇな、と思われた方は華麗にスルーなさって下さいませ。
では、本編スタートでございます。
本日も施工して参りましたが、弊社のサービスの中に安全弁の交換がございます。
高圧配管部やベーパーライザー内部など様々な部位に取り付けられておりますが、
今回は特にバルク貯槽に取り付けられた安全弁につきまして記述いたします。
業界の皆様はよくご存知のように、液石法等により5年毎(設置後ではなく、製造後)の
交換又は検査が義務付けられております。
しかしながら現実はと申しますと、行政のチェックが入るまで放置!
なんてケースも少なくない様でございます。
また、安全弁が受注品であることさえご存じない方もいらっしゃいます。
『 ○月△日に立入が来るから、それまでに交換してくれ!』
と言われましても、あたしの努力だけじゃ不可能なんです。
モノが無いことには施工不可能です。
『 おぅし、分かった。じゃあ交換が間に合わないのは宮○のせいだと報告するぞ!』
と、安全弁メーカーに言いがかりをつけるのも勘弁してやって下さい。
先日、某工場へ安全弁の交換に出動致しました。
その日を以ってお役御免、撤去されるべき既設安全弁とご対面です。
松崎しげるさんと見紛うようなドス黒さに圧倒されながら、謹んで一礼。
連結弁動作不良に備えて、例の特殊工具を傍らに鎮座させ、いざ撤去でございます。
『 お勤めご苦労様でした。 こんなに黒くなるまで頑張ったんですね。 偉いですね。 』
と労いの言葉をかけることも無く、淡々と撤去完了。
と、ここで衝撃の事実を目の当たりに致しました。
松崎さんの製造番号ったら、『 A19●●● 』 なんです。
つまり、松崎さん2000年誕生の刻印が確認できたのです。
いくらなんでも、11年間は働きすぎですよマジで。
人の倍以上じゃぁないですか。
しかも、24時間365日11年間ただひたすらバルクの内圧と闘い続け、
一瞬たりとも油断することなく制圧し続けた訳ですから、
ここまで来ますと最早人間業じゃないですね、当たり前ですが。
しかし、もし万が一、松崎さんの心がへし折れ、
『 もう十分働いたはずだぜ!俺はもう降りるよ。じゃあな。♪美しい人生よ~云々♪ 』
と職場放棄されていたら何が起こっていたでしょうか?
想像するに容易ですね。
安全弁内部のスプリングも弁体のパッキングも消耗品です。
放置してれば、バルクの内圧に負ける日が来る可能性は十分にあるのです。
お客様の安全の為にも、業界全体の為にも、そして販売事業者様の保身の為にも
ぜひひとつ、5年毎の定期交換を心よりお願い申し上げる次第でございます。
安全弁交換工事を間近でご覧になった方は、こう思われるかもしれません。
『 なぁんだ。簡単そうだな。これなら誰でも出来るんじゃない? 』
確かに、作業そのものは例外を除き単純なものです。
しかし、正しい知識・理解と専用工具と熟練の技があってこその作業です。
くれぐれも不用意なスタンスで施工なさらないようお願い致します。
今年、非常に大きな事故が発生致しております。
→ http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110617003/20110617003.html
交換作業に対しまして、少しでも不安を感じておられましたら、
あたしどものようなプロにお任せ下さいます様、重ねてお願いを申し上げます。
長くなりましたが、最後までお付き合いありがとうございました。
あ。
写真は右のお方が松崎さんです。
合掌。礼拝。
